長野県小諸(こもろ)市は、長野県の東部、佐久地域にあります。佐久地域は、軽井沢に代表される信州の高原、北側には、活火山の浅間山(標高2,568m)、南側には、八ヶ岳や蓼科山、中央を千曲川が流れます。
小諸市は、浅間山に連なる山々の南斜面にあり、その麓を削って流れる千曲川の断崖の上のわずかな傾斜地に市街が広がっています。 私たちの住む地域・・・気候風土、歴史や伝統、文化や知恵・・・地域をよく知ることで、地の利を生かす暮らしが見えてきます。楽しく暮らす知恵や工夫が見えてきます。
小諸は、日本一天気のよい地域にあります。日照時間が年間2000時間超、降水量が年間900mm未満、日照が多く雨が少ない地域は、国内では、北海道の十勝地域と八ヶ岳周辺のこの地域だけです。また、内陸性の気候で標高700mを超える地域であることから、年間を通して湿度が低く、また、年間平均気温が約12℃、冬はしっかり冷え込み、最高気温が氷点下となる真冬日になることもありますが、夏は涼しく、最低気温25℃以上となる熱帯夜にはなりません。
小諸市は、浅間山に連なる標高2,000m超の山々から、千曲川が削った断崖の下・標高550mまで・・標高差1,500mあまりの変化に富んだダイナミックで豊かな自然の中にあります。 山には、コマクサなどの高山植物やカモシカなどの貴重な動植物を見ることができます。ふもとの高原では、冷涼な気候をいかし、高原野菜やリンゴ、ブドウなど果樹の畑が広がります。天然カラマツ林など自然林から人の暮らす里山まで、多様で豊かな自然環境に多様な動植物が育まれています。自然のようすには、驚かされることも多く、発見があったり、楽しませてくれます・・よく知るほど、ますます、おもしろくなってきます。
小諸は、古くから人が行き交う交通の要衝でした。江戸時代になると「北国街道」が通り、小諸城の城下町は、小諸宿としても賑わいました。小諸城址には、戦国時代から築かれた城門や石垣が残り、北国街道沿いに江戸時代の宿場の町並みが今も見ることができます。 小諸では、浅間山の噴火で堆積した地層を水の流れが削りできた「田切地形」や千曲川が深く削った断崖などダイナミックな自然の地形を、あちらこちらに見ることができます。小諸城や城下町もこれらの地形をいかし、工夫を凝らして造られています。歴史や伝統の中にも、気候風土をいかす文化、知恵や工夫があふれています。